60の手習いでパソコンを! それぞれの思いを託して学ぶ 〜シニアパソコン教室「パソコンわかばくらぶ」 〜 静岡でシニア向け講座〜(平成14年10月18日) 2000年(平成12年)7月に産声をあげた「パソコンわかばくらぶ」。発案者は、静岡県立大学大学院経営情報学研究科の学生小林里加さんと桜井瑞恵さん。情報社会に取り残されがちなシニアを対象としたくらぶだが、発足から2年たった今、熱心な受講者たちが通ってくる。 くらぶを支えるサポーター(指導する側の人々)や受講生に話を聞いてみた。 (深沢街子) ■70歳のサポーター 「より多くのシニアのかたにパソコンのある生活を楽しんでもらいたい。 そして、シニアがインターネットを通じて交流できるような場の提供や支援をしたいとの思いで、くらぶをたちあげました」という代表の小林さん。 準備がとんとん拍子に進むなか、趣旨に賛同して快く教える側に回ってくれる、何人かのサポーターを集め始めた。知人に混じって手を挙げたのが、当時68歳の井上利久子さん。 会社を退職したばかりで、何かできることはないかと思っていた。 「私のような年齢でもパソコンが扱えるんだ、ということを知ってもらいたくて参加しました。お手伝いすることで友人もできるし、何より自分のために通っています」 今や、受講生の作品をホームページに取り込むなど、受講生たちの目標ともなっている貴重な存在だ。 ■受講理由はさまざま 参加している受講生は60代が多い。受講の理由は「ぼけ防止のため」「何かを学びたくて」「I T 講習会では物足りなくて」といった意見がきかれる。なかには「妻に勝手に申し込まれて来るようになった」という60代男性や、「お友だちから音楽つきのメールが届いたりするので、自分も同じことをしたくて」という60代女性、「夫婦二人で生活しているので、これからの情報社会に取り残されないように勉強しに来ました」という60代女性など。一人ひとりパソコンに託す思いがある。 ■わかばくらぶの良さ シニアを意識して、2人の受講生に1人のサポーターがついてくれるのが魅力。同じ時間帯でも個人によって違うことを学ぶことも可能で、わかるまで何度でも繰り返せるところが評判だ。 テキストや教え方もサポーターたちの反省を生かし、よりわかりやすいものに随時変わっている。 また、家庭的な雰囲気も見逃せない。病気で半年休んでいた60代男性が、懇親会をきっかけにまた通ってくるようになった。 休み時間にメールアドレスを交換したり雑談をしたりと、小林さんや桜井さんの目指す「サロン」が確実に形成されつつある。 わかばくらぶは、自動車免許の「わかばマーク」をイメージしている。パソコンは若い人だけと思わず、自分のペースで取り組んでみるのも楽しい。まずはキーボードにふれることから始めてみたら? パソコンわかばくらぶ TEL:090(6095)4024/小林さんEメール:wakaba01@hotmail.com ■「さんらいふ(中部版)」について 読者とつくる朝日新聞の系列タウン紙 URL:http://www.ara-net.co.jp/asa ↑「これ、どうすればいいの?」の声に、 ↑ 受講生が作ったカレンダーや葉書。 サポーターの井上さんも忙しい なかなかの作品に仕上がっている