インターネットをやってみたい。でも若い人々ペースではついていけない」というシニア層のために、静岡県立大学の大学院生と有志でつくる「パソコンわかばくらぶ」が、パソコン教習所を始めた。静岡市南八幡帳の市視聴覚センターで開かれた初回講座には、定員をはるかに越える応募が寄せられるなど反響も上々。「初歩からゆっくりじっくり」の指導が好評だ。 対象は55歳以上で、初めてパソコンに触る人。 パソコンの起動から始まり文字入力の仕方、ホームページを見たり、検索したりするところまで教える。発案者の県立大経営情報学研究科の院生、小林里加さんと桜井瑞恵さんは、「シニアにとってパソコンは社会参加、交流範囲の拡大や生きがいづくりに役立ち、手先を使うコンピュータ操作は身体の諸機能の低下を防ぐ」と話す。 「パソコンの学校はあるけれど、若い人と々ではついていけないと思って」と講座に参加した同市小鹿の主婦(65)。「夫と一緒にいろいろなホームページを見て楽しみたい」と言う。同市宮本町の本多平八さん(71)は酒店を営み、販売促進に生かせればと期待する。「問屋もリストラで営業が来なくなり、情報はメーカーのパンフレットだけ。情報が限られてくるし、年を取ると得意先を探すことも難しい。インターネットならこっちから情報の中に飛び込んでいける」と意欲的に参加した。 小林さんらは、講座修了後の「受皿」が今後と課題と見ている。目標はパソコンユーザとして独り立ちしたシニアに教える側に回ってもらい、シニア同士が助け合うネットワークを構築してもらうこと。そして、わかわない時気軽に来られる「サロン」のような場所が提供できればと考えている。 (平成12年8月25日静岡新聞夕刊より)